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Spannerのデュアルリージョン構成で可用性とデータレジデンシーを両立

NewsPilot編集部

Google Cloudは、グローバル分散データベースサービス「Spanner」において、2つのリージョンにデータを配置できる「デュアルリージョン構成」を新たに発表しました。オーストラリア、ドイツ、インド、日本の4カ国で利用可能です。

これまで、データレジデンシー要件が厳しい国では、2つのリージョンしかないために、Spannerのマルチリージョン構成(3リージョン構成)を利用できず、可用性が99.99%に制限されていました。今回の発表により、これらの国でも99.999%の可用性を実現できるようになり、非常に興味深いと感じました。

デュアルリージョン構成では、2つのリージョンにそれぞれ3つのレプリカ(読み書き可能なレプリカが2つ、監視用のレプリカが1つ)が配置され、合計6つのレプリカで構成されます。

万が一、いずれかのリージョンで障害が発生した場合でも、もう一方のリージョンでサービスが継続されます。さらに、自動フェイルオーバー機能により、障害発生時には自動的に正常なリージョンに切り替わるため、アプリケーションのダウンタイムを最小限に抑えることができます。

また、Google Cloudの監視システムによってリージョン全体の障害が検知されると、自動的にデュアルリージョンモードからシングルリージョンモードへと切り替わり、稼働中のリージョンで3つのレプリカによる運用が継続されます。

興味深い点は、ユーザー自身で障害を検知し、gcloud CLIのChangeQuorum APIを使用して手動でシングルリージョンモードにフェイルオーバーすることも可能になっている点です。これにより、より柔軟な運用が可能になります。

今回のデュアルリージョン構成の提供により、これまで以上に多くの企業がSpannerの高い可用性とデータレジデンシーの両方のメリットを享受できるようになるでしょう。特に、金融、ゲーム、小売などの業界では、データの保存場所に関する規制が厳しいため、今回の発表は非常に重要と言えるでしょう。

新しいデュアルリージョン構成は、Google Cloud Consoleから選択できます。また、既存のリージョン構成やマルチリージョン構成から移行することも可能です。Spannerのセルフサービスインスタンス移動サービスを利用することで、ダウンタイムなしで移行できます。

今回の発表は、Google CloudがSpannerの可用性とデータレジデンシーの両方を向上させるために、継続的に投資を行っていることを示すものです。ますます多くの企業が、Spannerを基盤としたグローバルなサービスを展開していくことが期待されます。

参照元サイト:Introducing Spanner dual-region configurations that help maintain high availability and data residency

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