Google Cloud

dida、数学と機械学習で営業プロセスを自動化するカスタムAIソリューションを開発

NewsPilot編集部

カスタムAIソリューションを開発するドイツの企業didaは、Google Cloudを用いて、太陽光パネルの販売プロセスの一部を自動化するカスタムAIソリューションを開発した事例を公開しました。

ドイツの環境に配慮した持続可能なソリューションに対する需要の高まりの中、太陽光発電システムのリーディングカンパニーであるEnpalは、顧客への見積もり作成を効率化するため、屋根の写真から屋根のサイズや設置可能なソーラーパネルの枚数を自動的に計算するシステムの開発をdidaに依頼しました。

従来は営業担当者が顧客の屋根の衛星画像をデスクトップアプリケーションに入力し、屋根の角度を推定して屋根瓦の数を手作業で数えてサイズを決定していました。このプロセスは営業担当者1人あたり120分もかかり、ビジネスの成長に合わせて規模を拡大することが困難でした。また、屋根瓦の手作業によるカウントや屋根の角度の推定の不正確さなど、エラーが発生しやすく、コストやエネルギー生産の予測が不正確になることも課題でした。

didaは、Google Cloud上で動作するカスタムAIソリューションの開発にあたり、Google Maps Platform APIを使用して、あらゆる形状やサイズの屋根の画像を収集し、機械学習モデルのトレーニングを行いました。これらの画像はすべてCloud Storageに保存され、ストレージクラスの自動遷移によりコストを管理しました。

また、didaは屋根の南向きの角度を正確に計算するための適切な式を見つけるために、射影幾何学を応用し、見込み客から提供された屋根の写真に基づいて正しい角度を計算できるモデルを構築しました。この数学的方法とMLモデルを組み合わせることで、屋根面積を計算する自動化プロセスを実現し、さらに2つのステップ(必要なソーラーパネルの数を計算するステップと、屋根への設置を視覚化するステップ)を追加しました。

MLモデルのトレーニングプロセス全体を通じてCompute Engineを使用し、仮想マシンにGPUを追加することでワークロードを高速化し、高可用性を実現しました。Compute Engineを使用することで、必要に応じて使用量を迅速にスケールアップおよびスケールダウンできる柔軟性があり、必要な計算能力に対してのみ料金を支払うことができました。モデルの微調整を行う際には、TensorBoardを使用して個々のトレーニングプロセスを監視し、モデルのパフォーマンスを評価しました。

開発プロセス全体には6か月かかり、最終的にEnpalは、屋根のサイズと必要なパネルの数を迅速かつ簡単に評価するカスタムの自動化ソリューションを手に入れました。また、このソリューションはモジュール化されているため、Enpalは動作状況を明確に把握し、屋根の正確な寸法など、詳細を手動で調整して、可能な限り正確な結果を得ることができました。

このソリューションと、Google Cloudによる構築の効率性により、かつてはEnpalの営業担当者が120分かかっていた手作業が、今ではわずか15分の自動プロセスとなり、87.5%の削減を実現しました。このソフトウェアを最初に開発したとき、Enpalでは13人が使用していました。4年後、これは150人のEnpal従業員に増加し、それぞれが時間の87.5%を節約し、今では他のより専門的なタスクに時間を割くことができるようになりました。また、モデルの精度が向上したことで、顧客が見積もりでエラーを受けることが減り、販売プロセスが迅速化し、顧客体験が向上しました。

Google Cloudを利用することで、AIソリューションの開発に必要なインフラストラクチャやサービスを簡単に利用できるだけでなく、コスト効率にも優れています。また、Google Cloudは、AI開発のためのツールやサービスが充実しており、開発を効率的に進めることができます。

今回の事例は、Google CloudがAIソリューションの開発に最適なプラットフォームであることを示す好例です。Google Cloudを利用することで、企業は高品質なAIソリューションを迅速かつ効率的に開発し、ビジネスの成長を加速させることができます。

参照元サイト:How dida automates sales processes with mathematics and machine learning

ABOUT ME
NewsPilot編集部
NewsPilot編集部
世界の様々なニュースを、日本語でわかりやすく、いち早くお届けします!
記事URLをコピーしました