GKEの延長サポートで、最大24ヶ月間のバージョン維持が可能に
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Google Cloudは、Google Kubernetes Engine(GKE)のマイナーバージョンに対して、最大24ヶ月間の公式サポートを提供する「GKE延長サポート」を発表しました。
今回の発表で興味深い点は、GKEクラスタのアップデート運用における柔軟性が大幅に向上したことです。従来の標準サポート期間である14ヶ月に加えて、延長サポート期間として約10ヶ月間、セキュリティパッチの提供を受け続けることができるようになりました。
これにより、ビジネス上の重要な時期や、複雑な移行作業などの理由で、GKEクラスタのアップグレードをすぐに実施することが難しい場合でも、セキュリティリスクを最小限に抑えながら、より長い期間、既存のバージョンを使い続けることが可能になります。
例えば、金融機関などでは、システムの安定稼働が最優先事項となるため、新しいバージョンへのアップグレードは慎重に計画・実施する必要があります。GKE延長サポートを利用することで、十分な時間をかけてテストや検証を行った上で、計画的にアップグレードを進めることができるようになるでしょう。
また、ゲーム業界のように、特定のイベントやキャンペーン期間中は、システムへの負荷が急増することが予想されるケースでも、GKE延長サポートは有効です。イベント期間中は既存の安定稼働しているバージョンを維持し、イベント終了後に余裕を持ってアップグレードを実施することで、システムの安定稼働とセキュリティの両立を実現できるでしょう。
ただし、GKE延長サポートを利用するには、Extendedリリースチャネルを選択する必要があり、クラスタ管理料金も標準サポート期間よりも割高になります。さらに、すべてのGKEクラスタが延長サポートの対象となるわけではなく、一定の要件を満たしている必要があります。
GKE延長サポートは、あくまでも一時的な措置であり、可能な限り早く最新のバージョンにアップグレードすることが推奨されています。しかし、現実的には、すぐにアップグレードすることが難しいケースも少なくありません。GKE延長サポートは、そのようなケースにおいて、セキュリティリスクを最小限に抑えながら、より柔軟なアップグレード計画を立てることを可能にする、重要な選択肢となるでしょう。
参照元サイト:Introducing GKE extended support: Stay on a GKE minor version for up to 24 months