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Filestoreが支えるUCバークレーの大規模JupyterHub環境:費用対効果と安定運用を実現

NewsPilot編集部

Google Cloudは、UCバークレーが、学生、教職員、研究者向けのコラボレーション型データサイエンス環境としてJupyterHubを採用し、その大規模展開においてFilestoreを活用している事例を発表しました。15,000人を超えるユーザーを抱え、100以上のコースと35以上の学部にわたる、米国高等教育機関としては最大規模のJupyterHub環境である「Datahub」の安定稼働をFilestoreが支えています。

この記事で興味深いと感じたのは、限られたリソースと予算の中で、いかに効率的かつ安定した運用を実現するかという点です。UCバークレーは、当初、Google Compute Engine上でセルフマネージドなNFSサービスを利用していましたが、ユーザー数の増加に伴い、パフォーマンスや信頼性の問題に直面していました。そこで、マネージドNFSストレージサービスであるFilestoreを導入することで、これらの課題を解決しています。

特に、FilestoreのBasic HDD tierを選択した点が注目されます。Basic tierは、インスタンスサイズを柔軟に変更できる一方で、ストレージ容量を縮小できないという制限があります。しかし、UCバークレーは、コストとストレージ容量の要件を考慮し、Basic tierが最適であると判断しました。

また、Filestoreの導入により、運用負荷が大幅に削減された点も興味深い点です。Filestoreは、「デプロイしてしまえばあとは忘れてOK」なサービスと表現されており、安定した稼働とパフォーマンスを提供しています。さらに、Google Cloudのアラート機能とPagerDutyを連携させることで、ストレージ容量が90%に達した場合に通知が送られるように設定し、効率的な運用を実現しています。

この記事は、大規模なJupyterHub環境を構築・運用する上で、ストレージの重要性を再認識させてくれると同時に、Filestoreがその解決策となりうることを示唆しています。特に、教育機関や研究機関など、限られた予算とリソースで運用を行う組織にとって、Filestoreは非常に魅力的な選択肢と言えるでしょう。

ただし、Filestore Basic tierの費用対効果や、ストレージ容量の縮小に関する制限など、考慮すべき点もいくつかあります。UCバークレーのように、長期的な視点に立ち、運用コストや将来的な拡張性を考慮しながら、最適なストレージを選択していく必要があるでしょう。

参照元サイト:At UC Berkeley, Filestore supercharges one of largest JupyterHub deployments in U.S. higher ed

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