機密データ保護がCloud Storageに対応、データ管理の負担を軽減
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Google Cloudは、機密データ保護(SDP)サービスの機能拡張を発表しました。今回の拡張により、SDPのデータ検出機能がCloud Storageに対応しました。これにより、BigQuery、BigLake、Cloud SQLと並んで、Google Cloudでデータに広く利用されているサービスで、機密データの検出、管理が可能になります。
データ量の増大に伴い、手動で機密データの所在を把握することが困難になる中、今回の機能拡張は、企業のデータセキュリティ対策を大きく前進させるものと言えるでしょう。特に、Cloud Storageは非構造化データに特化しているため、これまで検出が難しかった機密情報も発見できる可能性があります。
興味深い点は、SDPが単に機密データを検出するだけでなく、データの公開状況や暗号化設定の確認、さらには個人情報や金融情報、認証情報といった特定の種類のデータの検出も可能にする点です。これにより、企業はGDPRやCCPAといった法令遵守の観点からも、より強固なデータ保護体制を構築することができます。
また、組織、フォルダ、プロジェクトレベルでデータ検出を実行し、Cloud Storageバケットのデータプロファイルを生成できるようになったことも注目すべき点です。これにより、企業は保有するデータ資産全体を俯瞰的に把握し、リスクの高いデータの所在を迅速に特定することが可能になります。
さらに、Looker Studioダッシュボードとの連携により、検出した機密データの詳細な分析や可視化も容易になります。これにより、企業は自社のデータセキュリティ対策の現状を把握し、改善策を講じることが容易になります。
今回の機能拡張は、企業がますます厳格化するデータ保護規制に対応していく上で、非常に有効なツールとなるでしょう。特に、大量のデータを扱う企業や、クラウドへの移行を進める企業にとっては、SDPの活用がセキュリティ対策の鍵となる可能性があります。
しかし、SDPはあくまでもツールの一つであり、導入するだけでは十分なセキュリティ対策とは言えません。企業は、SDPで検出した情報を元に、適切なセキュリティ対策を実施していく必要があります。例えば、アクセス制御の強化や暗号化の徹底、従業員へのセキュリティ教育など、多角的な対策を講じることが重要です。
Google Cloudは、今後もSDPの機能拡張を進めていくとしています。今後のアップデートにも注目し、自社のデータセキュリティ対策に役立てていくことが重要です。
参照元サイト:Announcing expanded Sensitive Data Protection for Cloud Storage